2022.03.11  ご冥福をお祈りいたします。

未曽有の被害をもたらした東日本大震災は、2011年3月11日午後14時46分頃に発生しました。テレビで繰り返し流れる悲惨な映像でトラウマとなった方々もいらっしゃいました。「哀しみや不安の分かち合い」の原点はここにあります。今夜開催されるデスカフェでは、「あの時にどんなことが起きていたのか?」も交えながら進行したいと思います。


2022.03.10

あなたは今、幸せですか? その問いにあなたはどうこたえるでしょうか?

<問い>

1死を語るあなたは何者ですか?

2死ぬときに人はどうなりますか?

3人はどんな風に思って死んでいくのでしょうか?

4人は死期を悟るのでしょうか?

5健康に気をつかっていれば死ににくいですか?

6なぜ死をみつめることが必要なのですか?

7死後の世界について言い切らないのはなぜですか?

8孤独死は不幸でしょうか?

9死とは不幸ですか? 死ななければ幸福ですか?

10死をも左右する力を手に入れた人間は、本当に偉いのでしょうか?

『あなたは考えたことがありますか? 死ぬときに人はどうなる10の質問』大津秀一/著


2022.03.09

ホロコーストを生きのびた貴重な証言です。。。

著者紹介から-著者は6歳の時に父が戦争捕虜となり、離れ離れになる。その後、母と共にナチス・ドイツに連行され、各地の強制収容所に移送される。1945年4月、ベルゲン=ベルゼン強制収容所から列車で移送中、トレビッツにて解放。奇跡的に父と再会し、家族全員が生きのびることができた。・・・収容所の証言のみならず、その後の体験も語り伝える本書はフランス国内で版を重ね、舞台化もされている。

『いのちは贈りもの ホロコーストを生きのびて』フランシーヌ・クリストフ/著


2022.03.08

春の陽気かと思えば、今日は激寒とまさに三寒四温とはこのことです。

日本の四季は、くっきりと分かれることなくそれぞれに緩やかに移り変わっていきます。啓蟄も過ぎて、辛夷の蕾も膨らんで、生命の息吹が日ごとに増してきます。


2022.03.07

「デスカフェ・ガイド」や「デスカフェポータル」を参考にして、全国各地でデスカフェの開催が現れてきています。京都、大分、新潟と開催が続き、実際に体験されてという方も増えて、嬉しい限りです!(^^)!


2022.03.06

3月は国が定めた自殺対策強化月間です。。。

著者ベリングは、10代の終わりから頃からずっと自殺の想念から逃げ続けてきた。たとえば、犬の散歩の時に目にするいかにもという枝が誘惑する。そして枝に巻いたロープからぶる下がった僕の体がギーギーと音をたててゆっくりと回転している光景だった。そのイメージは不快なものではなかった・・・。しかし著者は自殺をする代わりに、「なぜにヒトは自ら命を絶つという行動をとるのか?」をテーマとするこの本を執筆するチャンスを得た。

『ヒトはなぜ自殺するのか 死に向かう心の科学』ジェシー・ベリング/著


2022.03.05

自分らしく「死」と出会うために、どう「生きる」べきか?。。。

1970代の死がまだ語れることが憚れる時代の日本で、ドイツから来たアルフォンス・デーケンさんは上智大学にて「人間学」講義をスタートさせました。1982年には上智大学にて日本最初の「生と死を考えるセミナー」開催し、「生と死を考える会」へと繋げてきています。この本は、2003年1月15日に上智大学で開催されて最終講義を収録するとともに、70歳からの第三ステージへの旅立ちを宣言する本です。デーケンさんは、その後も全国各地でユーモア溢れる講演活動を続けられて、2020年肺炎のために逝去されました。

『よく生き よく笑い よき死と出会う』アルフォンス・デーケン/著


2022.03.04

魂は存在しているのか?。。。

臨死体験、体外離脱、憑依など奇妙で信じがたい出来事・体験談がたくさん報告されています。科学では解明出来ないとされてきましたが本当でしょうか?人の生死に向き会う臨床医が「魂はどこにあるのか、心は、自己同一性とは脳のどのような機能によるのか」をテーマに書き上げました。

『死の医学』駒ヶ嶺朋子/著


2022.03.03

今日は、女の子のためのお祭りである「雛祭り」です。女の子の成長を祝い、幸せを願って、雛人形を飾ります。和菓子屋さんは大混雑でしたね、私はイチゴ大福を女子の幸せを祈り10個買いました!(^^)!


2022.03.02

3月は国が定めた自殺対策強化月間です。啓発ポスターも掲出されています。ゲートキーパー養成も各自治体で進められていることと思います。この機会に「ゲートキーパー養成講座」を受講してみませんか?


2022.03.01

今日から3月。和風月名では弥生です。語源は草木の芽吹く「いやおい」から「やよい」となったという説もあります。「弥」は、いよいよ、ますます、を意味し、「生」は文字どおり生きることです。植物にとって3月は「死」から「生」への再生の月かもしれません。


2022.02.28

遺骨を骨壺ではなく、散骨する風潮も増えてきています。野原に撒いたり、樹木にしたり、川や海に撒いたり。それぞれに法律の壁があると思いますが運用も見直されるかもしれませんね。そんな中で、遺灰をダイヤモンドにするという企画を見つけました。炭素に圧をかけるとダイヤモンドになることは知られていますが、遺灰にそこまでの炭素があるのかは謎とお値段が気になりますが、アイデアとしては良いかもしれません。


2022.02.27

ふとしたきっかけから過去の想い出へと還る旅。メモリアルデーや思い出の品を手にした時に、ふっとした思い出が込み上げてきます。季節の変わり目もそうかもしれません。


2022.02.26

絵本『つみきのいえ』は、12分の短編映画を基にして絵本化されました。主人公におじいさんとおばあさんが結婚した頃は陸地でしたが、気候温暖化の影響なのか海の水かさが増して家に浸水し、そのためその上に家を増築していくという物語です。おばあさんは亡くなり、家族の思い出も海の中に沈んでいます。

『つみきのいえ』加藤久仁生/絵 平田研也/文 


2022.02.25

先ほど視聴しましたが、皆さまにもお薦めの朗読劇です。今回、コロナ禍下のために全国にオンライン配信となっています。

 

2021年度 熊本県ハンセン病問題相談・支援センターりんどう講演会朗読劇「あん」〜誰にも生まれてきた意味がある〜

配信サイト:URLhttps://vimeo.com/manage/videos/680290739/0433b3ae7e

サブURL:https://youtu.be/MSqnVH4lWbI

*2022年2月26日(土)14:00から視聴可能となります。

*この動画は、視聴期間中、何度でもご覧いただけます。

視聴期間:2022年2月26日(土)14:00~2022年3月8日(火)23:59まで

出演:ドリアン助川(朗読)

   中井貴惠 (朗読)

   ピクルス田村 (ギター)

原作:ドリアン助川『あん』 出版:ポプラ社

配信制作:オンザフィールド 協力:南青山MANDALA

主催:熊本県 熊本県ハンセン病問題相談・支援センター(りんどう相談支援センター)


2022.02.24

コロナ禍下で、若者・女性の自殺者が増加しています。そこには社会や家庭での「心の分断」が背景にあるのではないでしょうか?そんな自殺念慮を抱えている相談者と向き合うには、心理学理論ではなく、その重苦しい面接に耐えうる胆力→「タイマン力」が必要だと考えます。

この本は、「電話相談」、「犯罪被害者」、「生活困窮者」、「児童養護施設」、「ゲートキーパー」などの相談支援現場を担う14人からの緊張感のある臨床知にあふれた寄稿文と、松本先生の鼎談が掲載されています。

『「死にたい」に現場で向き合う 自殺予防の最前線』松本俊彦/編著


2022.02.23

「アンネの日記」は出版から75周年を迎えました。ユネスコの「世界で最も読まれた10冊」のうちの1冊にあげられ、幾度となく映像、舞台化されてきています。『アンネ・フランクと旅する日記』は、第2次世界大戦下にユダヤ人の少女アンネ・フランクが空想の友だち“キティー”宛てにつづっていた「アンネの日記」を原案にして描いたアニメーション映画です。

『アンネ・フランクと旅する日記』アリ・フォルマン/監督


2022.02.22

2017年1月に「相模原市障害者施設殺傷事件」から「『選別』される社会―相模原事件をとおして<問い・語る>哲学対話―」を開催しました。その時にテーマを4つご用意しました。そのうちの一つ「なぜひとを殺してはむいけないのだろうか」に参加された介護職の方が「私たちは助けることしか考えていなかったので、この問いにはびっくりするとともに新鮮で、改めて向き合うことができました」との感想があれました。デスカフェのルーツとも言えます。


2022.02.21

ジェノザイドという惨劇を生み出したナチス・ドイツ。ユダヤ人のマルコ・ファインゴルトは、1939年にゲシュタポに逮捕されてアウシュビッツ・ノイエンガンメ・ダッハウ・ブーヘンバルトの4つのユダヤ人強制収容所に収容されつつも、ホロコーストを生き延びました。終戦後はユダヤ人難民の人道的支援と講演に取り組み、2019年9月19日に106歳で生涯を終えました。終戦から74年間、悪夢を語り続けてきたホロコースト生存者による最後の警鐘です。

『ユダヤ人の私』クリスティアン・クレーネス/監督


2022.02.20

2016年10月、電通で働いていた高橋まつりさんが自殺をした。過労死Levelの仕事、パワハラの中で起きた自殺と言われている。女性が活躍される社会を目指しながらも、女性たちを取り巻く環境は厳しい。主にこれまで仕事を担ってきた男性と同等の仕事を女らしさとともに求められ、家事も育児も手が抜けず、福利厚生も薄く給与も低い中、様々な悲劇が起きている。そして目にするのは女性のなかでの分断。結婚/非結婚 子ども/子なし 正規/非正規 介護/非介護 保育園/非保育園。この不寛容な社会を変えるのが私たちの役目です。

『貧困と女子 乗り越え、助け合うてめに』雨宮処凛/著


2022.02.19

おばあさんと暮らした思い出をたどるおじいさんを描いた短編アニメーション「つみきのいえ」は、フラン ス・アヌシー国際アニメーションフェスティバルにて最高賞にあたる“クリスタル賞”“こども審査員賞”、広島国際アニメーションフェスティバルにて“ヒロ シマ賞”など多くの賞を受賞しました。その絵本版が「つみきのいえ」として発行されています。

『つみきのいえ』加藤久仁/絵・平田研也/文


2022.02.18

世界で最初に暗殺されたと思われる有力な人物は、紀元前2333年に警護人によって殺されたと言われるエジプトのファラオ、テティのようです。

そして私たちの印象に残っている暗殺としては、ジョン・F・ケネディ大統領でしょう。初の日米を回線で結んだテレビ中継で飛び込んできた衝撃的なニュースでした。ダラスの町をオープンカーでパレード中の大統領は、リー・ハーヴェイ・オズワルドにより射殺されてしまいます。さらにオズワルドを移送中に、今度はジャク・オズワルドにより射殺されてしまいます。その理由は「傷心のジャッキー(ケネディ夫人)を法廷で証言台に立たせないため」との不可解な理由でした。また、トランプ大統領が在任中に、ケネディ暗殺に関する機密文書が国家安全保障上の理由により公開を見送りされています。さらに謎が深まります。

『暗殺から読む世界史』ジョン・ウィッティントン/著


2022.02.17

介護崩壊へのカウントダウンが始まる。。。

団塊世代が85歳以上となる2035年には、要介護者は960万人、死者の数も年間16万人と推計されている。多死社会真っただ中、私たちはどう備え、どう立ち向かえば良いのか?

・後悔しない「ひとり死」を実現するためには?・わが家での最期をはばむバイアスとは?・がんで死ぬなら自宅を選べ。

介護現場の最前線を20年以上にわたって取材してき著者が、さまざまな看取りの事例を紹介し、納得のいく最期を迎えるためのヒントを提示する。

『多死社会に備える 介護と未来と最期の選択』長岡美代/著


2022.02.16

「いのっちの電話」は公共施設的な役割を担う。。。

「090-8106-4666」―この携帯電話番号は、坂口さんが公開している「いのっちの電話(いのちの電話)」の番号です。自殺者を2030年までにはゼロにしたいと願い、2012年から個人で開設しました。毎日7人程度の電話があるそうです。坂口さん自身も躁うつ病を患っていて、うつ状態の時に死にたいと考えたそうです。自分自身も自殺で寿命が尽きることがないことを願って、今日も「いのっちの電話」と向きあっています。開設当初は「いのちの電話」でしたが、同名の団体が活動をされているので名称を変更しています。

『苦しい時は電話して』坂口恭平/著


2022.02.15

母が認知症になっても父は変わらぬ愛を注ぐ。。。

2018年に日本中を深い感動で包んだ認知症を介護する結婚生活60年を過ぎた90代夫婦を描いた『ぼけますから、よろしくお願いします。』。新型コロナ禍のその続編『ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえりお母さん~』が制作されました。この老老介護を撮り続けたのはひとり娘の信友直子さんです。

ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえりお母さん~』信友直子/監督


2022.02.14

海の見える駅そばにある純喫茶「星やどり」。店主は、夫の星則をがんによって先立たれた三男三女の母の早坂律子。

建築家でもある星則はがんに患ったことを知り、純喫茶名を「はやさか」から「星やどり」に変えるとともに星型の天窓を設ける。ここに星則の想いが託されて物語は展開していく。この本は家族という星座を再生させる物語です。

『星やどりの声』朝井リョウ/著


2022.02.13

青森県にある三思園さんが2018年、津軽弁による死と対話する「どせばいい。」カードゲーム限定版を開発しました。ただいま改訂版を作成中で、こちらはクラウドファンディングにて普及促進も兼ねて販売予定です。詳しくは確定次第、こちらにてアップしたします。


2022.2.12

本日は、目覚めがいつもより爽やかな気がします。昨夜、「死」を語るデスカフェに参加したことと、休肝日としたことが一因かと思います。青森市の今朝は、天気が良くー5℃とシバれてますが、日差しに力強さが感じられ、まだ遠いはずの春が近くに感じられます。連日の雪片付けで腰が痛く、この痛みが消えるころに、雪も消えるのだと思っております。

わたしたちの暮らしにある人生会議』西智宏/著にふれ、日常そのものが人生会議で、日常の言葉を集め「ものがたり」を紡ぎ、その糸口となる言葉はどこにあるのか、その扉を開くとどんなストーリーが広がっているのか、そして、「ものがたり」を共有することで、本人は終末期においてどのような生き方を望むのかというヒントをこの本は集めています。特に、noteを使い一般の100名の方々から「自分たちの人生会議ものがたり」を投稿してもらい、その中から選ばれた作品が第2部私たちのACPとして、まとめられています。デスカフェで亡くなった方の「ものがたり」を紡ぐ、また、1人称でACP(人生会議)を考える機会、場所となれば、春と重ね希望に満ちてきます。          by 髙橋 進一


2022.02.11

今日は建国記念の日です。日本の国が生まれた日で、初代天皇である神武天皇が即位した日だとのこと。どこの国にも建国記念日がありますが、独立や革命記念日のようで、日本のように神話まで遡るのは珍しいようです。


2022.02.10

ミツバチの不思議?

繁殖期の働き蜂の平均寿命は1か月で、そのうち蜜を集める労働は1週間です。その1週間の労働期間の間に1回飛ぶごとに自分の体重の半分程度の蜜を運びます。1日に3回から5回程度運ぶそうです!残り3週間は巣の中でお掃除や子育てをして過ごします。雄蜂もいますが家事はせずに定刻になると外に他の女王蜂と交尾しに出かけるそうです。そしてその女王蜂の寿命は1年から3年と長いですが、その間に繁殖期には毎日卵を千個産むそうです!!!。そして新しい女王蜂が誕生すると、半分の働き蜂を連れて巣を離れて、再び新しい巣を作るとのこと。


2022.02.09

東日本大震災で初めて震災トラウマという言葉と体験者たちに出会いました。実際に揺れた恐怖体験と、メディアで繰り返し流れる映像・言葉が恐怖をさらに増幅させました。子どもが産めない、外に出れない、揺れが止まらない・・・。辛い体験を「分かち合う」ことで癒されることもあります。「分かち合う」という言葉が好きです。


2022.02.08

亡き人への想いを深める旅にご一緒しませんか?上映が続いています。

“漂流ポスト”とは、「手紙を書くことで心に閉じ込められた悲しみが少しでも和らぎ、新たな一歩を踏み出す助けになるなら」という想いから、被災地である岩手県陸前高田市の山奥に建てられた郵便ポストです。

『歩きはじめる言葉たち 漂流ポスト3.11をたずねて』清水健斗/監督・脚本・編集


2022.02.07

今日、生きていることが奇跡の時代。。。

破滅型の私小説で知られる芥川賞受賞作家の西村賢太さんが、移動中のタクシーの中で意識を失い、搬送された病院にて逝去しました。まだ、54歳という若さでした。そしてなんと読売新聞に、尊敬する石原慎太郎さんが2月1日に逝去したためその追悼文を新聞に書いたばかりでした。


2022.02.06

デスカフェで生まれたテーマ、『「自殺」は悪いことなのか?』。短絡的に自殺=悪とはならないのがデスカフェです。かといって自殺=良ともなりません。根源的には「命」は誰のものなのか?そして善い死、良い死、良くない死、悪い死というものはあるのだろうか?


2022.02.05

私は「相模原市障害者施設殺傷事件」に衝撃を受けて、翌年から「対話」として語り続け、この事件が風化されないように活動しています。この本でも、相模原事件にかかわる記述には共感するものを覚えます。

-生命をもって生まれた以上、その人には生きる権利があり、生きる価値がある。しかし社会的なコストを優先させることで、あるがままの生命に対する畏敬の念は失われ、生命が格付けされていく世の中に今私たちは向かっています。-第七章 命の選別はどこまで進むか②~コスト優先の果てにより

 『それでも生きていく 不安社会を読み解く知のことば』姜尚中/著


2022.02.04

石原慎太郎さんの遺言状には「葬式不要、戒名不要。我が骨は必ず海に散らせ」と書かれていたとの報道がありました。葬式は誰のためなのか?弔いの在り方について次回デスカフェに話題提供します。


2022.02.03

俳聖松尾芭蕉は46歳にして、陸奥(東北・北陸)へと旅立った。この旅は紀行文「おくのほそ道」として知られている。当時は隠居の年齢であり、自らの弔い、死出への旅立ちだったかもしれない。実際に芭蕉は剃髪し、黒染めの衣装をまとい、随行の曽良も同じく剃髪して墨染めの衣に変えていた。亡き人の旧跡も訪ねつつ、この世とあの世を媒介する弔い人として旅立った。別れの様子を詠んだ俳句が「行く春や 鳥啼き魚の 目は泪」である。鳥や魚さえも、感情露わにして別れを惜しむ様子を詠みこんでいる。

この本は亡き人を悼み、新たな生を迎えることを願う、弔いの形としての巫女の口寄せ、絵馬・人形・遺影など東日本大震災後までに連なる日本の弔いの文化史を探っている。

『弔いの文化史 日本人の鎮魂の形』川村邦光/著


2022.02.02

若い頃に読んだ作品を老いてから読み返すと、趣きが異なることがあります。歳を経て、経験を積んで、多くの体験を重ねて視点が変化するのかもしれません。カフカの『変身』のグレーゴル、カミュの『異邦人』のムルソー、プルーストの『失われた時を求めて』などを再読して感じた20世紀文学における終末期のふうけいです。

『ターミナルライフ 終末期の風景』西成彦/著


2022.02.01

『太陽の季節』で鮮烈なデビューを飾った石原慎太郎さんが逝去されました。若さ、そしてパワーが迸る文芸作品でした。ご冥福をお祈りいたします。


2022.01.31

地球に生まれたことの奇跡を祝う。。。

あなたが生まれた瞬間を覚えている方はいないでしょうが、生まれる瞬間を地球上の動物たち、地球の自然、太陽、月、星たちが祝っていました。あなたが生まれたことは奇跡のひとつです。この本はお誕生日のプレゼントとしても親しまれ、親子で楽しめ味わえる絵本です。

『あなたがうまれたひ』デブラ・フレイジャー/著


2022.01.30

『人生100年時代』と言われますが、南極遠征並みに遠い!多くの方にとって未知の領域。幸せなのか不幸なのか?

言えるのは、結果ではなく過程の『そこに至る道』にフォーカスすることではないでしょうか?


2022.01.29 <デスカフェに参加される皆さまへのお願い>

デスカフェ主宰者は「参加者の安心・安全の場」の提供・確保を最優先としています。参加される方は、①話し合われた内容を漏らさないこと ②許可なく写真撮影(スクリーンショット含む)、録音をしないこと をよろしくお願いいたします。


2022.01.28

今夜は定期開催をしているオンラインデスカフェ絵本読書会です。課題絵本は『いのちの木』ブリッタ・テッケントラップ/著ですがNHKのとある番組で紹介されて話題になり、手に入り難くなっています。地元の図書館でも70人待ちとなっていました。シンプルですが心に染み入る物語です。じっくりと丁寧に味わいます。


2022.01.27

開業医、そして訪問医が事件に巻き込まれて死亡する事件が起きています。命を助ける側が殺されてしまうという不条理の現実。こうした事件を生み出す社会の背景にソーシャルワークする必要があります。両医師のご冥福をお祈りいたします。


2022.01.26

漢字の成り立ちから学ぶこと。。。

冒頭文からーあらゆるものは生命の連続のなかに生きる。その連続の過程をどれだけ充たしてゆくことができるのか、そこに生きることの意味があるといえよう。―「生」という文字は草が生い茂る様子を表わしているとのこと。たしかに生まれて、芽生えて、伸びていく広がりを感じます。そして「老」という字は神に仕える長髪の人の中に逆さになった「人」で表しています。生きて、老いて、病んで、死に至る―人は生きてゆく、しかし老いなければならない、そして死ななければならない、ああそうなのか、そうだよなと思う。―今、生きていることに感謝しつつ。。。

『[白川静の絵本] 死者の書』白川静/著 


2022.01.25

知ってるはずでしょ。生きる事って楽しいんだよ。。。

お笑いコンビ「TIM」のゴルゴ松本さんは、2011年から全国各地の少年院を中心に、漢字の成り立ちなどを用いて「命」について語るボランティア活動「命の授業」を行ってきました。こりの本には「ライフワーク」とされるその活動への想いが詰め込まれています。

『「命」の相談室 僕が10年間少年院に通って考えたこと』 ゴルゴ松本/著


2022.01.24

オンラインワークショップに参加しました。そこで自分が望む医療・ケアの形「長く苦しまない・大切な人がそばにいてくれる・痛みや不安がない」につながる行動として私の答えは→「パートナーとの朝の散歩」でした。健康のため、幸せのため、スキンシップのため、寄り添いのため、朝の生まれたての新鮮な空気を吸いながら毎日をスタートしたいですね。


2022.01.23

こんな素敵な本棚があったら死後も交流が出来ますね。

1年に1度のお墓参りの時に、お墓が開き本棚となっている。本が好きだったあの人のコレクションが詰まっていて。読みたい本を1冊手に取り、代わりに持参したお薦めの1冊を本棚に入れて扉を閉めてお祈りします。わくわくしながら家に帰ります-『お墓の中の本棚』から

 『あるかしら書店』ヨシタケシンスケ/


2022.01.22

デスカフェ絵本読書会で使用した『100万回生きたねこ』佐野洋子/著つながりでこんな本も出ています。『100万分の1回のねこ』。

この本は、『100万回生きたねこ』への、谷川俊太郎、江國香織、岩瀬成子、角田光代、町田康、川上弘美などの13人の作家によるオマージュの短編集です。冒頭にそれぞれのこの作品の想いが光ります。

岩瀬成子さん-「100万回も平気で孤独を生きたのに、愛が猫を滅ぼしてしまった。愛は恐ろしい。うちの猫に「あんた、50万回くらい生きたの」と訊いてみたが、知らんぷりしている。案外60万回くらい生きているのかもしれない。」


2022.01.21

配偶者の死のストレスは高い。。。

社会生活を送るうえでストレスは避けられません。社会心理学者のホームズとレイエは、過去1年に起こったライフイベントを数値化「社会的再適応評価尺度」することでストレス症状の出現を予測しました。その尺度の中で、1番値が高いのが「配偶者の死」とされています。こうした死の哀しみを当事者同士で語り合うことで癒される場合もあります。グリーフケア寄りのデスカフェはこの機能を担っています。


2022.01.19

死に至るプロセス。。。

あまりにも有名な『死ぬ瞬間 死とその過程について』で述べられたE・キューブラー=ロス医師の「死への五段階」。人は死を受け入れるまでに、否認→怒り→取り引き→抑鬱→ようやく受容へ至ると説明されています。しかし、その背景には全過程をとおして「希望」という文字が透かしで入っています。「希望」があるから生きられる、頑張れるのかもしれません。


2022.01.18

横浜外人墓地に眠る方々。。。

横浜には港の見える丘公園そばに、外人墓地があります。横浜に縁のある方々が永遠の眠りについて様々なスタイルの墓石が目を引きますが、残念ながらこのコロナ禍で墓地に入ることができません。入口に墓地を案内するギャラリーがあるのに気が付きました。中には資料とともに、墓地を見下ろすデスクと机が良い雰囲気で小彼てり、腰掛けて墓地に眠る方々に想いを馳せたくなりました。


2022.01.17

死者は時間を超越する。。。

ヨーロッパ各地の納骨堂を訪れ飾り付けられた骸骨を目の前にして、「仕掛けてこない相手としては、整然と並んだ千五百個近い骸骨の衝撃は、なかなかのものである。これはこれで格闘技だな」とつぶやく。

 『骸骨考 イタリア・ポルトガル・フランスを歩く』養老孟司/著 


2022.1.16

デスカフェで生まれたテーマは『自分の命は自分のものか(だれのものか)』

命は自分でコントロールできるものなのか?はたまた家族や社会、いや神のものなのか?グレーゾーンが広がりもやもや感も止まらない。


2022.01.15

いずれにせよ人は死にます。。。

この本は末期がんによる体調急変(翌月に逝去)で講演がかなわなかった医療者向けセミナーの講演内容を自宅で口述し、自身の作品として死後に出版されたものである。医療の実践者に向け自らが立つ哲学の視点を明らかにしつつ、果てしない存在の謎としての死を語る、著者の仕事の精髄といえる一遍が、こうして残された。

『死とは何か さて死んだのは誰なのか』池田晶子/


2022.01.14

今、格差の広がりとともに日本の長寿は危機に瀕している。。。

「なぜ、ある社会の人々は謙子で、ある社会の人々は不健康なのか、その答えを探してほしい。だから君には“社会と健康”という授業を任せる」。ハーバード大学で世界が熱い視線を送る授業「健康格差の授業」はこうして始まった。

『命の格差は止められるか』イチロー・カワチ/


2022.01.13

葬送のスタイル、そして想いは様々。。。

父が残した一通の手紙から、父が遺灰を教会の墓地に散布して欲しいとの希望を知る。それを契機に、世界各地の葬送を知るために著者は旅に向かう。目次から-「イラン、涙の壺」、「バリ、美しい炎上」、「シチリア、死の展示」、「ガーナ、夢見る棺」、「香港、来世への選別」、「フィリピン、集い合い」、「カルカッタ、望郷の眠り」、「チェコ、とある礼拝堂」、「メキシコ、オアハカの祭壇で」

『死者を弔うということ 世界の各地に葬送のかたちを訪ねる』サラ・マレー/著


2022.01.12

NHK番組の「世界はほしいモノにあふれてる」で、1/28日のデスカフェ絵本読書会の課題絵本『いのちの木』が紹介されていました。その効果からかネットではこの絵本が品切れとなっています! 

『いのちの木』ポプラ社


2022.01.11

次回のデスカフェ絵本読書会の課題絵本は『100万回生きたねこ』です。有名な絵本ですが、図書館に「『100万回死んだねこ』はありますか?」との問い合わせもあるようです。こうしたうろ覚えで間違えた書名を集めた本が福井県立図書館から発刊されました。

「とんでもなくクリスタル」カフカの『ヘンタイ』「わたしを探さないで」「下町のロボット」「おい桐島、お前部活やめるのか?」「人生が片付くときめきの魔法」「からすのどろぼうやさん」「ねじ曲がったクロマニョンみたいな名前の村上春樹の本」「八月の蝉」「大木を抱きしめて」などなど。

『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』福井県立図書館/編著


2022.01.10

“もしも”のことについて考えてみるのは大切なことです。。。

時には治らない「病気」や「認知症」などになり、自分で物事を決められなくなったり、自分の気持ちを伝えられなくなってしまうことがあります。横浜市では、そうなったときの治療やケアについてあなたが「どうしてほしいか」の気持ちを伝えるためのお手伝いをするために、医療・ケアについての「もしも手帳」を発行しています。

―横浜市人生の最終段階の医療等に関する検討委員会 横浜市医療局―

 


2022.01.09

多様性を謳いあげた詩人・教育者・童話作家・農村青年指導者の宮沢賢治。。。

テーマが「星」だった紹介型読書会で、宮沢賢治の代表作のひとつ『よだかの星』が参加者3人から紹介されました。「よだかは、実にみにくい鳥です。・・・」と物語は始まります。醜いゆえに、タカという名前を持っているために、ヒバリやメジロなどの他の鳥から「名前を変えろ」などの苛めやヘイトスピーチを受けます。反面、毎晩たくさんの虫を食べて(殺して)生きていることに耐えられず、空高く飛び続け燃え尽きて「よだかの星」となり輝きます。この本には宮沢賢治の生きとし生けるものたちへの想いが込められています。

『よだかの星』宮沢賢治/著


2022.01.08

読書という行為には、グリーフケア=死別の悲しみを癒す機能がある。。。

「死を想う」、「死者を見つめる」、「悲しみを癒す」、「死を語る」、「生きる力を得る」の5章に分かれています。「死者を見つめる」章には、2021.12.27のつぶやき「今年の振り返り」~日本三大霊場の恐山へにつながる、「死者のいる場所」の役割として『恐山』南直哉/著も紹介されています。私の大好きな『星の王子さま』は、「生きる力を得る」章に収録されています。

『死が怖くなくなる読書 「おそれ」も「かなしみ」も消えていくブックガイド』


2022.01.07

今日は七草がゆの日でした。ちなみに七草とは次の7種類の野草ですが、手に入り難いものも出てきていますね。

◆せり

◆なずな(ぺんぺんぐさ)

◆ごぎょう

◆はこべら

◆ほとけのざ

◆すずな(かぶ)

◆すずしろ(大根)


2022.01.06

こんな死に方があった!

死ぬ、往生する、三途の川を渡る、昇天する、くたばる、始末される、バラされる、お陀仏になる、海の藻くずとなる、土に返る、墓に入る、安らかに眠る・・・言い方はどうであれ、死は必ず訪れる。この本は、人はどんなことで死ぬのか?あまり気分が暗くならずに変わった面白い様々な死に至る原因を網羅している。

日系人がお正月に食べる「もち」について言及している箇所もあり、1965年以降に「もち」を食べて窒息した人は1601人とのこと。

『死因百科』マイケル・ラルゴ/著


2022.01.05

病むからこそ、死があるからこそ、分かること、人と分かちあうことがある。。。

この本は50人の方の「命と医療」を巡る1年7か月に渡った長期インタビューをまとめたものです。命とお金を秤にかけたら、当然に命の方が重いものです。しかし現実は、肺がんに劇的に効くという高額新薬「オプジーボ」が登場し、高額な医療費を巡って議論された経緯もあります。まえがきに―この国には、「いのちに値段はつかない」という考え方があります。社会の平等性を説く時は強みとなり、現実を認識するときは弱みとなるかもしれません。―

『いのちの値段 医療と治療を巡る50の物語』読売新聞医療部/著


2022.01.04

題名からは想像ができない物語です。。。

20年を超えた付き合いのゲイカップルのピアニストのサムと作家のタスカー。しかしタスカーはある病を患っており、二人で思い出の旅へキャンピングカーで出かける。タスカーは病が進んだら、自分をコントロール出来なくなり、また、サムへの負担が増してしまうと密かにある決心をする。しかしサムはそのことに気づいてしまい思い悩み・・・。

『スーパーノヴァ』ハリー・マックイーン/監督


2022.01.03

デスカフェサミット運営委員 新年の挨拶です。


2022.01.02

星の王子さまの死生観と人生観。。。

世界200か国で翻訳されたサン=テグジュペリの『星の王子さま』は、名言と比喩・示唆にあふれた作品としても親しまれています。故郷の星に残したバラを想い、毒蛇の毒で、身体を残して意識だけが星に還る王子さま。彼にとって身体は借り物にすぎなかったのです。

また、ジブリアニメ作品「天空の城ラピュタ」のテーマ曲「君をのせて」の歌詞は、宮崎監督のサン=テグジュペリの『星の王子さま』へのオマージュを感じます。歌詞の「あの地平線 輝くのは どこかに君を隠しているから♪」は、王子さまが語る「砂漠が美しいのはどこかに井戸を隠しているから」につうじますね。『隠している』からは、隠しているものを探し出す「知恵と工夫と喜び」が比喩として表現されたと理解するのはいかがでしょうか?


新春のご挨拶 デスカフェサミット運営委員


2022.01.01

あけましておめでとうございます。おかげをもちまして、昨年度はデスカフェ・ガイドの出版、デスカフェポータルの開設をさせていただきました。ご高覧賜りました皆様に感謝申し上げます。

また、取り上げていただきました各種メディアの皆様にお礼申し上げます。

本、ホームページが後押しとなり、新たに参加される方、開催される方が増えてきたことは望外の喜びです。今後も、多死社会を取り巻く様々な課題に対して、対話によるアプローチと関連する情報を発信していきます、本年もどうぞよろしくお願い致します。

会長 吉川直人(京都女子大学)


2022年1月1日

新年明けましておめでとうございます。デスカフェ仲間の皆様、また、本邦初のデスカフェ本『デスカフェ・ガイド~「場」と「人」と「可能性」~』をお読みくださった皆様、そして、「死」について構えずに語りことに関心をお寄せくださり、このデスカフェポータルにお立ち寄りくださっている皆様、ゆるやかなコミュニケーションで繋がるこのご縁にまず感謝申し上げます。

 

 コロナ禍という想定外の禍の中で気が付いたことは、「不急不要」という言葉の通り、自分にとって要らぬ物、要る物、要らぬ人、要る人の選択が不思議とはっきりしてくるということでした。皆様はいかがでしょうか。仕掛けも強制もない十人十色の草の根ムーブメントなのに、私たちは今、デスカフェで繋がっています。これこそ、自分たちが選んだ「要る」関係だったのではないかと、再認識している1年のスタートです。

 「生きるとは?」。「死ぬとは?」。正解がないから、デスカフェ・ムーブメントに終わりはありません。だからこそ、今年はもちろん、来年も再来年も、皆様とのご縁が続いていきますように! よろしくお願い申し上げます。

 萩原真由美(社会保険出版社顧問/桜美林大学老年学総合研究所連携研究員)


2022.01.01

明けましておめでとうございます。

その人らしさを引き出すためには、本人をはじめ、家族や大切な方々の日々の言葉を記憶に留め、多職種でその言葉を想起し「ナラティブ(ものがたり)」をつぐむ。その場が、ものがたりで温かな空気になり、心までが満たされるのを感じます。これが、三思園の看取りのマインドです。

 

「死」は前もって体験できません。実感が湧きにくいのも当然です。「死」を自分はどのように受け止め、準備するかという命題を考えても結論にたどり着くことはできません。多死社会は、「死」に対する意識を、確実に時を刻み現実として迫ってきています。しかし、日常の生活の中で、自然の流れとして過ぎてしまいます。今年は、デスカフェを地域で開催できるようになればと願っております。

             高橋進一(デスカフェsanshien de café運営・社会福祉法人中央福祉会 法人本部看護師長)


2022.01.01

明けましておめでとうございます。旧年中はテレビや新聞、雑誌などで取材していただき有難うございました。また私たちの開催するデスカフェにご参加くださった皆さまにも改めてお礼申し上げたいと思います。

こうしてデスカフェを継続できるのも参加者さんやデスカフェ仲間があってのことと強く思います。これからもアップデートし、デスカフェの発展に貢献したいと思います。

本年も宜しくお願い申し上げます。

小口千英(デスカフェCafé Mortel主催・看護師)

 


2022.01.01

明けましておめでとうございます。

中国故事の「邯鄲の夢」や「南柯の夢」ように人生は儚いものです。日常で忘れているこの感覚をデスカフェは思い起こさせてくれます。コロナ禍で日常生活も変化してきていますが、オンラインというツールで新しいつながりも生まれています。ご縁が広がり楽しみも広がってきています。これも各地からご参加いただいた皆さま、そしてメディアに取り上げてくださった皆さまのおかげです。

引き続き本年もどうぞよろしくお願いいたします。

田中肇 (対話カフェ Tokyo〜Yokohama主催・図書館司書) 


2022.01.03

年末年始の挨拶が苦手な主催者です。

一昨年はデスカフェ・サミットの開催。昨年はデスカフェ・ガイド本の出版と、ここ数年いろいろなことがありました。今年はそろそろ落ち着きたいな…なんて思っていますが、さて、どうなることでしょうか(たぶん無理)。

わたし自身はゆるゆると変わらずに、自分のカフェを続けていけたらと思っています。また特にお寺さん関係の方で、自坊でカフェを体験してみたい。お試し開催してみたいという方がいましたらぜひお声掛けください。
本年もよろしくお願いいたします。

中藤 崇(デス・カフェ@東京主催・精神保健福祉士) 


2022.01.01

一休禅師にこんな和歌があります。

―正月は 冥土の旅の 一里塚 めでたくもあり めでたくもなし―

誰もがとおる一里塚ですね。その一里塚でカジュアルに語り合うのがデスカフェかもしれません。


2022.01.01

<滋賀県死生懇話会さんインタビュー記事>

このページでは、自分らしく生きること、望む最期を迎えること、色々な生き方を認め合うこと、そして幸せに生きること…etc、そんな生き方のヒントをちょっとでも見つけるきっかけになればと、「死」「生」に関する様々な取組、考え方について、色々な方にインタビューをさせていただいた内容をご紹介しています。

 

●デスカフェ主催者 社会福祉法人 中央福祉会 特別養護老人ホーム「三思園」 看護師長 高橋 進一 さん & 皆様(2021年11月16日)

 

青森市にある社会福祉法人 中央福祉会 特別養護老人ホーム「三思園」さんは、2014年から施設での看取りケアに取り組まれており、またデスカフェ「sanshien de café 」を運営されています。看取りも含めた多様な「死」のあり方や、「死」に関連して、あるいは死後に生じる問題解決のヒントとなる学びの機会づくりといった、大きな意味での地域づくりの取組と位置付けて、デスカフェを運営されている「三思園」の皆様にお話しをお伺いしました。

 

まず地域にどう「死」のあり方、看取りのあり方、生き方を伝えるかというテーマから入ったデスカフェ。地域にどう貢献していき、地域で安心して死ねる環境があるのだという安心感をもたらしながら、何が必要なのかを考えていくのが法人としての役割。(高橋さん)


2021.12.31

<滋賀県死生懇話会さんインタビュー記事>

このページでは、自分らしく生きること、望む最期を迎えること、色々な生き方を認め合うこと、そして幸せに生きること…etc、そんな生き方のヒントをちょっとでも見つけるきっかけになればと、「死」「生」に関する様々な取組、考え方について、色々な方にインタビューをさせていただいた内容をご紹介しています。

 

●デスカフェ主催者 田中肇さん(図書館司書)、小口千英さん(看護師)(2021年11月9日)

「デスカフェ~死をめぐる対話~」を主催されている図書館司書の田中 肇さんと、デスカフェ「CaféMortel(カフェモルテル)」を主催されている看護師の小口 千英さんにお話しをお伺いしました。

 

 今の時代、死について語る場、風土が熟成されつつあるのかなと…。(田中さん)

話す場所って何か所かあって、いろいろな人の話を聞くのってすごく重要なんだなって。(小口さん)


2021.12.30

ゆっくりとしっかりと自然に癒されるひととき。。。

―汽車はまた線路をのぼってゆき、木々の焼き払われた山裾をまわって見えなくなった。ニックはテント用のキャンヴァスと毛布の束の上に腰を下ろした。それはついさっき、、汽車の荷物係が荷物車のドアから投げ下ろしてくれたものだった。町はなく、線路と焼けた原野だけが目の前にあった。・・・炎に縁は削られ、砕かれている。シーニーの町で残っているのは、それだけだった。地面までが焼けただれていた―で始まるヘミングウェイの短編小説『二つの心臓の大きな川』ですが、なぜ火事が起きたのかの説明はなく、この後は主人公のニックのソロキャンプの様子が淡々と綴られています。この短編小説は、第一次世界大戦で心身に傷を負ったヘミングウェイ自身を癒すセルフセラピー小説とも解釈されています。「黙々とテント設営をし、火を起こしてパンケーキを焼き、コーヒーを淹れて眠りに落ちて。早朝にはバッタを捕まえ餌にして鱒釣りを楽しみ、そしてさばくシーン」は癒しの過程とも読めるかもしれません。訳者の高見さんは、ヘミングウェイをまねて伊豆にて鱒釣りを試みたとのことです。

『二つの心臓の大きな川』ヘミングウェイ/著


2021.12.29

ーキリマンジャロは標高6,007メートル、雪におおわれた山で、アフリカの最高峰といわれている。その西の山頂はマサイ語で“メガイエ・ヌガイ”神の家と呼ばれているが、その近くに干からび凍りついた一頭の豹の屍が横たわっている。そんな高いところまで、その豹が何を求めてきたのか、説明できたものは一人もいないー。『キリマンジャロの雪』ヘミングウェイ/著の冒頭の書き出しです。

この頃ヘミングウェイはアフリカでの狩猟に夢中になっており、この小説もヘミングウェイを思わせるアフリカで狩猟に興ずる小説家が登場します。主人公の「死」と豹の「死」の共通項は、ともに「高みを目指して挫折した人生」かもしれません。

 『キリマンジャロの雪』ヘミングウェイ/著


2021.12.28

ヒットマン マーク・チャップマンの視点から捉えたヒストリー。

1980128日、ジョン・レノンはマーク・チャップマンに拳銃で射殺されました。彼はその後、逃げることなくサリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』を読みふけっていました。ジョン・レノンの波乱に満ちた人生と、その命を奪った稀代の負け犬、マーク・チャップンのストーリーが一つに編み上げられ、天才の宿命と喪失を描いた美しく身に迫る物語です。

『ジョン・レノン 最後の3日間』ジェイムス・パタースン/ 


2021.12.27

「今年の振り返り」~日本三大霊場の恐山へ

私の父が、今年8月30日、86年の一生を終えた。母が亡くなってから、10年ほど一人暮らしをしてきた。父と私は、いつからなのかは覚えていないが不仲であった。声が大きい父と話すとお互いに声が大きくなっていく、残念ながら笑い声ではなく、いつの間にか口論へとズブズブと入り込んで行く。むなしいと思いながら繰り返してきた。そして、「誰の世話にもならない、、」と締めくくる。

 

父は膵臓がんであった。入院加療を2度したものの、本人にとって入院生活が地獄のように思えたのであろうか、荷物をまとめ、すたこらさっさと帰ってきてしまった。その後、関係者の方々に深々とお詫びしたのは言うまでも無い。最期は、また入院することになるのだから、穏便にと思っていたが、当の本人は、絶対にしないの一点張り、、

その日が近づくにつれ、腹水が徐々に胸部まで溜まっているのが、呼吸状態で分かる。ゼーゼーと呼吸が荒くなり、苦しいはずなのに私には何も言わない。呼吸が辛そうになって2週間たった。もうそろそろかも知れない、「お食い締め」をさりげなくした。ビールだなと思った。父も頷いた。これは「キクッー」と言いながら2口飲んだ。次の日になり、「ビールを飲んだら効き過ぎて、死ぬかと思った」と話し、久しぶりに大声で笑った。その翌朝、見守られることなく一人で、あっけなく亡くなっていた。

 

青森県では、死者は必ず、「恐山」に行くといわれている。

私が小学生の頃は、「イタコの口寄せ」が列をなし、沿道を埋めていた光景が残っている。そして、すすり泣く姿も多くあり、その中に祖母や母の姿があった。なぜ泣くのかは、イタコが軽快にマイナーコードを奏でるかのような声で、語りかけてくるからだ。方言混じりで、「あの世でしあわせに暮らしている、何も心配はいらない。いまでも家族の事を見守っている。体には十分きをつけて」と節回しは民謡のようでもある。

あれから何年ぶりにきた恐山だろうか、記憶をたどることすら阻んでいるように思えてきた。青森市内から車で2時間あまりで着くこの地は、昔に比べると近く感じた。「死」を近く感じているからだろうか?地獄と極楽の疑似体験ができるこの空間は、かつての私は、足がすくんで歩むことも後ずさりすることもできなかったかも知れない。妄想をすれば、積まれた溶岩の塊は、焦土と化した地に頭蓋骨がゴロゴロと転がっている光景に見えてくる。積まれた石の陰に、餓鬼が潜んでいるようにも見える。硫黄の臭気と熱風は、飢えと乾きを感じさせ、すべてを溶かしてしまう恐怖を感じる。父や母は来たのだろうか、どこにいるのだろうか。ドンと大きな地蔵様が見えてくる。地獄から救われたかのような安心感になる。手を合わせ拝顔すると、涙する優しいお姿に膝が崩れそうになる。すぐ目の前には、真っ白な砂浜が広がり、サファイヤブルーの湖が極楽を思わせる。

昼過ぎに青森市を出発し、腹がすいたところに食堂があった。食堂内は、風の向きで硫黄の臭気で充満し目がチカチカするほどだ。午後3時過ぎの食堂内には、関東方面から来たであろう標準語の初老の男性が、店員と話していた。「来年、元気なら、また来るから」「そんなこといわないで、元気にきてよ」「仕方が無いよ、病気だから」、、死ぬ覚悟ができた方だろうと、、、それと、この方は、恐山に死んだ時の自分を想像して、生きているうちにきているかも知れない、死をより近く感じ、これによって生ききるのだろうと思えた。  BY 高橋進一


2021.12.27

死は恐ろしくて、不条理なもの。そして必ず誰にでもくる。。。

この本は加藤博子さん(哲学者)と呉智英さんとで「死とは何か。哲学者・文学者など先人たちはどう考えてきたのか。それを今こそ振り返っておこう」と企画されました。企画段階にはなかったコロナ禍にも見舞われ、全く予想もできなかった事態へと世界は変容し、より鋭利な思考へと向かわざる得ない死の議論が展開しました。

 『死と向き合う言葉 先賢たちの死生観に学ぶ』呉智英・加藤博子/


2021.12.26

歴史とは「過去と現在の間の尽きぬことを知らぬ対話」。。。 

イギリスの歴史家EH・カーは「歴史家は自分の好む歴史史実を手に入れる」と述べ「歴史家を釣り人」に例えているが、釣り人の性別は男性を思わせ、カーの時代の歴史観は男性視点を感じさせる。そしてウーマン・リブという外圧を受けて次第に女性史研究に扉を開いていく。

 『はじめての西洋史ジェンダー史 家族史からグローバル・ヒストリーまで』弓削尚子


2021.12.25

先生、ヒトはなぜ死ぬのですか?→「死」は、生き物にとって必要なしくみなんです。。。

序文から-地球上の生き物の寿命は、酵母のような数日のものから、500年も生きるサメから千差万別です。しかし、すべて生き物に共通しているのは、「いつかは死ぬ」ということです。・・・1時限目、「生」と「死」の境界線。

 『文系のためのよくわかる 死とは何か』小林武彦/


2021.12.24

人類はいつから死後の世界を想像するようになったのだろうか?

1955年にモスクワから200キロ離れた村の3万年前の地層から10歳から12歳の男女の埋葬遺体が発掘されました。二人の魂が永遠に混じりあったかのように寄り添って埋葬され、副葬品が添えられ、その中には、制作に1年以上かかると思われる1万個以上の象牙で出来たビーズが衣服に飾り付けられていました。こうした手の込んだ副葬品からは、埋葬の儀式が死後の世界を乗り越えるという戦略がほのめかされます。

 『時間の終わりまで』ブライアン・グリーン/


2021.12.23

<滋賀県死生懇話会さんインタビュー記事>

このページでは、自分らしく生きること、望む最期を迎えること、色々な生き方を認め合うこと、そして幸せに生きること…etc、そんな生き方のヒントをちょっとでも見つけるきっかけになればと、「死」「生」に関する様々な取組、考え方について、色々な方にインタビューをさせていただいた内容をご紹介しています。

 

京都女子大学 家政学部生活福祉学科 助教(デスカフェ研究) 吉川 直人さん(2021年10月13日)

京都女子大学助教で、デスカフェを研究されている吉川 直人さんにお話をお伺いしました。デスカフェはスイスの社会学者であるバーナード・グレッタズ氏が妻を亡くしたのをきっかけに、死について語り合う場の必要性を感じたことから始まったとされ、これまで全世界70カ国以上で開催、日本国内でも「死を語ることは生を実感する場」として、多様な形で開催されている。

 

デスカフェの実践やその効果について、フィールドワークやインタビューを行いながら研究していく中で、デスカフェという存在自体が新たな社会資源になる可能性を秘めているのではないかと感じるようになりました。(吉川さん)


2021.12.22

  『楽園』を求めて。

聖書によれば、リンゴの誘惑に負けてアダムとイブは「楽園」を追われてしまい、労働をして暮らす日々となりました。

画家ポール・ゴーギャンとその祖母で社会革命家フローラ・トリスタンの「楽園」を目指す小説があります。

19世紀のフランスはいまだやはり女性差別が残り、フローラ=トリスタンは一人闘います。そしてゴーギャンは、タヒチに渡るなどして新しい芸術を生み出すために挑戦を続けます。二人は「楽園」にたどり着いたのでしょうか?

『楽園への道 』マリオ バルガス=リョサ/著


2021.12.21

年末とは12月20日からを指すそうです。まさに年末→カウントダウン。人生の終末はこのような暦どおりにはいかないので、「健康寿命」をできるだけ引き延ばすことですね。

そのために大切なのは、「食事」・「運動」・「睡眠」かなあ。


2021.12.20

「健康寿命」が延びました!

厚生労働省は3年ごとに「健康寿命(介護を受けたり寝たきりになったりせずに日常生活を送れる期間)」を公表しています。本日公表された数値は、2019年は男性72.68歳、女性75.38歳でした。前回調査の16年(男性72.14歳、女性74.79歳)から男性は0.54歳、女性は0.59歳延びています。

平均寿命よりも、いかに健康的に生きられている寿命が大切ですよねえ。 


2021.12.19

カミュの不条理文学を代表する『異邦人』。

主人公ムルソーは正当防衛でありながら、母の死に泣かないという人としての感受性に欠けているという理由で、アラブ人殺害で死刑宣告を受けてしまう。まさに不条理! そしてムルソーは上訴が棄却されても「誰でも知っているとおり、人生は生きるに値しない。30歳で死のうが70歳で死のうが大差ないことはわかっている・・・」と諦観の境地に至る。


2021.12.18

横浜市のランドマークタワー内タリーズにて、「デスカフェ~死をめぐる対話~」が開催されました。紹介された本の中で印象的だったのは、死刑囚との往復書簡集『死と生きる 獄中哲学対話』池田晶子・陸田真志/著、『死体の美術と文学 九相図資料集成』、『朽ちていく死体の美術史 九相図をよむ』でした。九相図とは、屋外にうち捨てられた美女の死体が朽ちていく経過を九段階にわけて描いた仏教絵画です。滋賀県紫雲山聖衆來迎寺収蔵「六道絵『人体不浄相図』」は国宝となっています。


2021.12.17

医師たちの人生を変えた患者たちの物語。。。

上野千鶴子さん推薦-「すぐれた医療者とは、患者から学ぶことができる者のことだ。感情が揺さぶられる医者も、安楽死をためらう医者もいる。つまるところ医者も患者も人間なのだ」。人生の「特殊な時間」でしか得られない学びが詰まっている。

『ある特別な患者』エレン・デ・フィッサー/著


2021.12.16

滋賀県 死生懇話会 インタビューシリーズ 死生懇話会 ~「死」を捉えた「生」のあり方を考えるヒントに~から

滋賀県では「死」を捉えた「生」のあり方について、考えるきっかけになるような情報を発信しています。

自分らしく生きること、望む最期を迎えること、色々な生き方を認め合うこと、そして幸せに生きること…etc、そんな生き方のヒントをちょっとでも見つけるきっかけになればと、「死」「生」に関する様々な取組、考え方について、色々な方にインタビューをさせていただいた内容をご紹介しています。

ここでご紹介している方々は、人の死という大事な場面に日々関わっておられる方や、ご本人にとっても残される方にとっても、最期を悔いなく穏やかなものにしたいとの思いで活動されている方、子どもや若者の生きづらさの問題に真摯に向き合っておられる方など、「死」と「生」のあり方に真剣に向き合い、そして「人の命」を何より大切に想う方々ばかりです。

これからも色々な方にお話をお伺いし、随時情報を更新していきたいと思います。「死」や「生」についての考え方、捉え方は、人それぞれです。このページをご覧になった方が、それぞれの心のアンテナにひっかかる“何か”を少しでも見つけていただければ幸いです


2021.12.15

早稲田大学の會津八一記念博物館グランド ギャラリーでは、「死と祈り」展を1月末まで開催中です。

HPから引用ー“死”は生きとし生けるものがたどり着く最後の終着地点です。私たちは日々の生活を送る中で、己の死の恐怖や身近な存在の死によって“死”というものを意識しているのではないでしょうか。

生者は“死”の実態を知ることができません。古代より人間は祈ることによってその恐怖や不安から逃れようとしてきました。死後の世界での安寧や故人の冥福を祈ることは、この世に生きる人間にとって一つの救いのかたちでもあります。

この度の展示では「死と祈り」をテーマに、會津八一葬儀関係資料や副葬品、墓碑拓本、仏教美術作品など人々が“死”と向き合う中で制作された作品資料をご紹介いたします。


2021.12.14

水俣病とは、熊本県水俣湾周辺の化学工場などから排出された化学物質により発症し、第二次大戦後の産業復興の過程で生まれた日本の四大公害病の一つである。「公害の原点報道写真家ユージン・スミスとパートナーのアイリーンは、1971年から3年間水俣に住み、日本の公害病「水俣病」の写真記録を試みた。この作品は、その写真集『MINAMATA』を俳優ジョニー・ディップが主演・プロデュースした作品であり、音楽は、産業公害に強い関心を持つ坂本龍一が賛同し協力している。

『MINAMATA-みなまたー』アンドリュー・レヴィタス/監督


2021.12.13

女性史をたどると凄まじい人生が描かれたノンフィクションものが少なくありません。

そのひとつとして、外国で娼婦として生計をたてていた「からゆきさん」。その言葉から連想される本に『サンダカン八番娼館』山崎朋子/著があります。スマトラ島ボルネオにあった日本人町に設けられた娼館で働いていた日本人女性の半生が描かれています。この本には『-底辺女性史序章-』とのサブタイトルがつけられていたのを知りました。むしろこちらがメインタイトルかもしれない。。。